このページは水痘(すいとう)ワクチンの解説ページです。
水痘ワクチンは定期接種の1つです。定期接種とは公費負担で自己負担なく接種できるワクチンです。
水痘ワクチンとは?
水痘ワクチンとは、水痘(すいとう)に対するワクチンです。
水痘は「みずぼうそう」とも呼ばれる感染症で、水痘・帯状疱疹ウイルスによっておこる大変感染力が強い感染症です。
おすすめの接種スケジュール
水痘ワクチンは2回接種します。
1歳になったらすぐに1回目を、その6か月~12ヶ月以内に2回目を接種しましょう。
後述しますが水痘はとても感染力が強く、比較的日常的に罹患しうる感染症ですが、現代でも10~20人が亡くなっているとされる非常に怖い感染症です。
昨今共働き家庭の増多に伴い1歳で保育園入所の子どもさんも多く、未接種の子どもからの感染機会がとても多いのが実情です。
1回目の接種期間は生後12ヶ月~15ヶ月ですが、感染リスクを少しでも減らすために1歳になったらすぐに接種しましょう。
このとき定期ワクチンであるMRワクチンと、任意接種(自費)にはなりますがとても重要なおたふくかぜワクチンと同時接種がとてもおすすめです。
2回目は1回目接種後3ヶ月経過すれば可能ですが、標準的には1回目から6ヶ月~12ヶ月後とされています。
【接種回数2回】
- 生後1歳の誕生日を迎えてすぐにMRワクチン(定期接種)とおたふくかぜワクチン(任意接種)と同時接種がおすすめ
- 1回目から6ヶ月~12ヶ月で2回目接種
接種で回避できる病気
水痘(すいとう)
水痘は水痘・帯状疱疹ウィルスによるによる感染症です。「みずぼうそう」という呼び方の方が有名かもしれません。
症状としては、虫刺されのような赤い斑点が出て、水ぶくれになり全身に広がります。水ぶくれが透明から膿のようになり、最後にかさぶたになりますが、頭皮や粘膜を含め全身に起こるため、色々な段階の皮疹・発疹が混在することも特徴です。とても強いかゆみを伴うことも特徴です。
多くは軽症で全身の発疹とかゆさ、体のだるさと数日の発熱が7日程度で治まることが多いです。
水痘(すいとう)の合併症
最も多い合併症は、水痘による皮疹・水疱がやぶれ、そこが細菌感染を起こす細菌性皮膚炎です。
その他肺炎や脳炎などがあります。
子どもが水痘に感染しても軽症の場合が多いですが、子どもから周囲の大人に感染する場合があり、大人が水痘を発症すると合併症が重篤化しやすい傾向にあることが知られています。
日本ではワクチン接種が普及する2000年代前半までは、水痘に毎年100万人ほど罹患し、そのうち3000人~4000人が重症化し、10~20人ほどが死亡していたとされています。
成人での水痘も稀に見られますが、成人に水痘が発症した場合、水痘そのものが重症化するリスクが高いと言われています。
水痘ワクチンの予防効果
ワクチン接種で得られる効果には、発症そのものを抑える効果と重症化リスクを軽減する効果があります。
重症化リスクについては、1回目の接種でほぼ100%軽減できるとされています。
しかし感染リスクについては1回の接種で77%の軽減にとどまります。これは言い換えると1回接種のみだと数年以内に20~50%が水痘に罹患することを意味します。
2回接種で94%感染リスクを軽減できるとされていますので、重症化リスク、発症リスクともに大きく軽減できる水痘ワクチンを2回きちんと接種しましょう。