BCGワクチン

このページはBCGワクチンの解説ページです。

BCGワクチンは定期接種の1つです。定期接種とは公費負担で自己負担なく接種できるワクチンです。

おすすめの接種スケジュール

BCGワクチンは生後12か月(1歳未満)までに1回接種します。

BCGは結核感染症を回避する生ワクチンです。結核が日本よりも流行している海外の一部地区では生後すぐに接種しますが、低年齢だと副作用も大きくなることがあります。

BCGワクチンに限りませんが、生ワクチンは生まれつき免疫が弱い先天性免疫不全症の赤ちゃんには接種できません。生後3ヶ月以内だと診断が困難なことがあり、生後3ヶ月以降での接種がおすすめです。

標準的なタイミングは3回目のワクチンを受けた後の生後5か月ごろが目安です。

生後5か月から7ヶ月で、3回目のワクチンのあとに接種を受けましょう。

BCGワクチンの接種スケジュール

【接種回数1回】

  • 生後1歳までに
  • 生後5ヶ月から7ヶ月(3回目のワクチンのあと)がおすすめ

接種で回避できる病気

結核

結核は結核菌による感染症です。もしかしたら結核を過去の病気と考えている方も多いかもしれませんが、実は近年、日本においても徐々に結核感染が増加傾向にあり、実は年間1万人以上の感染者が報告されています。

また海外からの旅行者由来の感染機会も考えられるため、赤ちゃんのうちにきちんと接種しましょう。

結核は、口や鼻から結核菌を吸い込むことで感染するため、肺結核が有名です。初期はかぜ症状と似ていて、せきと痰、微熱が長く続くことがあります。重症化すると全身倦怠感や食欲不振、息苦しさ、血痰などの症状がでることがあります。

肺以外にも、あらゆる臓器(脳、骨、リンパ節、腎臓、腸)に感染することもあります。

肺結核や全身感染症いずれも、3〜4歳以下、特に1歳以下で罹患すると重症化しやすいとされています。BCGワクチンは結核そのものへの感染リスクを50〜70%、さらに結核感染症の重症化を60〜80%程度軽減できる効果があるとされています。

お子さんを守るためにもできるだけBCGワクチンを生後5ヶ月から7ヶ月に接種をしましょう。

BCGワクチンの安全性と副反応

BCGワクチンは9本の剣山のような形のはんこ型の注射です。

はんこ型注射を2度接種するため接種部位に18個の注射痕が生じます。

通常は接種後2週後ころから接種部位が腫れたり固くなり、ジクジクしたり化膿したようになることもありますが一般的な経過です。

接種後5〜6週ころが最も目立ち、その後かさぶたとなり、数ヶ月の間に徐々にきれいになっていきます。

この間絆創膏などを貼る必要はありません。

稀な副反応(1%以下、100人に1人以下)として、接種後1〜3ヶ月ころに接種した側のわきの下のリンパ節が腫れることがあります。普通接種後6ヶ月以内に自然に小さくなっていきますので特別な治療は必要ありません。

逆に、接種後10日以内に接種部位の腫れや赤み、膿が出てきた場合には今回の接種による副反応ではなくすでに結核菌に感染している可能性があり(これをコッホ現象と呼びます)、詳しく検査をする必要があります。夜間の緊急でなくても良いので当院を受診してください。

BCGワクチン副反応

【接種後2週後以降】

  • 接種部位の腫れ、しこり、じくじく→数ヶ月で自然改善

    【接種後1〜3ヶ月ころ】1%以下(100人中1人以下)

    • 接種側のわきのリンパ節の腫れ→6ヶ月以内に自然改善

      *逆に接種後10日以内に腫れや膿が出てきた場合には当院を受診してください

      さらに詳しく知りたい方

      日本小児科学会こちらのページも大変わかりやすいので参考にしてみてください。

      さらに詳しく知りたい方は厚生省の解説ページも御覧ください。